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GemPackage

LSI-Package-Board協調設計用プランニング&コミュニケーションツール

GemPackage操作画面の例。独自の「ラッツ曲げ」操作により

配線経路を検討してASICピンの割当を改善するようにメモを残している局面

GemPackageの3大機能

  • 非常に早い段階から使えるプランニング機能
  • 設計データや設計履歴の共有とコミュニケーション支援機能
  • 貴社のアイデアを守るセキュリティ機能

GemPackage導入の効果

構想専用ツールなので機器開発のフロントローディングが大きく進みます

  • よく構想を練ることで斬新な製品アイデアが得られる
  • 開発工程の前倒し効果により製品市場投入の早期化が図られる
  • 多くの構想アイデアを早期に試すことで開発リスクを低減できる

LSI-Package-Board協調設計とは

電子機器や半導体は、産業が生まれた当初は優秀な個人がすべて行うスタイルで開発されましたが、20世紀後半に一気に国際的な水平分業にシフトして量的に発展しました。ところが21世紀に入ると、各種要因から単純な水平分業では済まなくなり、各設計者が隣接分野の内容に配慮したり別分野の技術者が協力しながら設計したり、という「協調設計」が必要になってきました。LSI-Package-Boardの領域では現在は主として次の4種の協調設計が行われています。

Co-Des I: ICパッケージのプロトタイピング

フリップ式携帯電話やデジタルスチルカメラの流行により、System-in-Package(SiP)やPackage-on-Package(PoP)といった実装技術が発展し、ICパッケージの設計が一品一様になり一気に設計量が急増しました。アジアにICパッケージ専業メーカー(Outsourced Semiconductor Assembly and Test, OSAT)が台頭して増大した設計需要に応えましたが、「本格的に設計にかかる前に設計可能かどうかだけ知りたい」(Feasibility Study, FS)という要請にはなかなか応えることができませんでした。そこで、OSATへの発注者である半導体メーカーのパッケージ開発担当者は、自身でパッケージFSをする必要に迫られました。これが水平分業の限界が見えてきた最初の出来事でした。GemPackageはこのころ開発され、ICパッケージFSツールとして使われ始めました。その後の信号高速化などにより、FSの段階でSI/PI側面の見通しまで必要となり、今日では単なるFSとは一線を画してプロトタイピングと呼ばれています。

Co-Des II: チップ/パッケージコデザイン

スマートフォンやムービーなどの携帯映像機器の流行による信号の高速化と低電圧化により、デジタル回路はもはやアナログ的な配慮なしには動作しなくなりました。特にICパッケージでは、勝手に決めたチップのピン割当からパッケージピンに引き出すだけの配線設計では半導体が正常動作しなくなってきました。対処のためにICパッケージやボードの配線設計において差動信号平行配線や等長配線などの配線技術と早期シミュレーション技術が進歩しましたが、パッケージだけで調整できる範囲は限られます。そこで、半導体企業内においてパッケージ設計部門とチップIO設計部門の連携が進み、今日では、両部門は共同作業的に設計したり、部門が統合されたりして、チップとパッケージの協調設計が進んでいます。GemPackageのIO配置機能と超階層設計機能はチップ/パッケージ協調設計において大変活躍しています。

Co-Des III: 基板のプラットフォームプランニング

映像機器分野では信号がさらに高速化・低電圧化し、車載機器分野では大電流スイッチの問題が顕在化し、各分野でアナログ的問題の影響が大きく広がりました。電子機器メーカーでは、製品開発の後半になってノイズ対策部品を追加搭載しなければならなくなったり、さらには基板の再設計が必要になったりするなど、Signal Integrity(SI) や Power Integrity(PI)や熱の問題が機器開発全体に大きく影響するようになりました。対策としてシミュレーションツールの活用が進みましたが、開発済みチップの対策では後追いになってしまいます。本格的な対策のためには、次世代製品のプラットフォームとなるASICの開発を具体的に開始する前の段階から、先行して、次世代チップの概略と次世代製品ラインの各種構成をある程度仮定した基板プランニングを行う必要があります。これをプラットフォームプランニングと言います。丸ごと1世代先についての極めて早い段階の検討なので、仮定する情報の確度は低くならざるを得ませんが、それでも次世代チップのピン配置・目標性能・製品基板に搭載して利用する際の注意点などをあらかじめ良く勉強することができます。そして、チップ開発を実際開始する段階には、半導体企業に対して、シミュレーションモデルを要求したり、デキャップの容量を求めたり、ピン配置を指定したりなど、従来よりも具体的にモノを言うことができるようになります。GemPackageは、ネットリストが未確定の段階からフロアプランできたり、フロアプラン段階からパワーインテグリティを考慮するための機能が準備されていたりするので、プラットフォームプランニングに大変適しています。

Co-Des IV: 機器メーカー/半導体企業コデザイン

プラットフォームプランニングのような早期段階の検討を、一企業内の内部的な勉強として実施するのではなく関連企業を巻き込んで実施することは、大きなメリットがあります。例えば、機器メーカーが構想段階の基板情報を半導体企業に提供するならば、半導体企業は最初から基板環境を考慮したピン配を提案できるようになるでしょう。また例えば、半導体企業がICパッケージのプロトタイプデータを機器メーカーに提供するならば、機器メーカーではCAD設計に入る前に基板とパッケージを統合したSI/PIシミュレーションを実施できるようになるでしょう。これは機器開発プロセスの大きなフロントローディングとなり、より斬新な製品を企画できるようになったり、製品を市場に早期に投入できるようになったり、開発リスクを減らしたり、という効果が期待できます。この段階の協調設計を実現するための課題は、早期プランニング機能という技術面に加えて、管理面やセキュリティ面にあります。GemPackageは、技術面だけでなく管理面やセキュリティ面の機能も充実しているため、早期段階の企業間協調設計における関係者の共通ツール・管理ツール・コミュニケーションツールとして使われ始めています。

※1    Mフォーマットは2018年下期搭載予定です。

フロントローディングとは

電子機器開発プロセスにおいて、各活動をできるだけ前倒しに行うことをフロントローディングといいます。構想段階(上図Concept段階)は、最初の段階であり、従来は電子機器メーカーのベテランエンジニアが単独あるいは数名で紙と鉛筆だけを道具として実施することが多い工程でした。本段階は最もクリエイティブな段階であり、前提となる情報は少なく確度も低いため、実際には成立しない内容であってもそれに気づきにくいという難しさがあります。インプリが進めばデータが揃ってくるのでシミュレーションできるようになりますが、その時は開発プロセスは後半にかかっており、対策に膨大な時間やお金がかかってしまう、というジレンマがあります(上図破線)。この問題の解決には構想段階の改善が必要です。紙と鉛筆だけでなく適切なツールを利用してポンチ絵のデータ化をはかり、より多くの製品アイデアを俎上に載せ、多くの専門家の知恵を集めて取捨選択すべきです。それによって、フロントローディングが進み、次のような効果が得られます。

 

  • より斬新な製品アイデアを生み出す
  • 開発期間の短縮と製品市場投入の早期化
  • 後段での失敗リスクの低減

フロントローディングの課題

製品機器メーカーの課題

製品機器メーカーにはフロントローディングのための協調設計のリーダー役が求められます。機器開発のできるだけ早期段階から関係会社を巻き込み、必要な情報を与え、チームのモラルを維持し、成果をしっかりと確保する、という役割を担います。

半導体企業の課題

半導体企業の一番の課題は、チップ/パッケージコデザインを維持しながら機器のマザーボードに配慮した設計能力を高めることです。そして、機器レベルのシミュレーションができるだけ早く始められるように、チップ/パッケージのプランニング段階からパッケージやチップの情報を機器メーカーに供給することが求められます。但し、例えば構想段階のパッケージデータが求められた場合、そのデータを流用して他の半導体メーカーと詳細設計を進めてしまう可能性があるならば、半導体企業としてはデータは提供できないでしょう。半導体企業が安心してデータを提供できる環境が求められており、そのことは主に製品機器メーカーとEDA企業の課題となります。

EDA企業の課題

EDA企業は、従来主に設計機能の充実に焦点を当ててきましたが、製品機器メーカー/半導体企業コデザインの要請に応えるには、従来とは異なることにも配慮する必要があります。まず、不十分で不確実な情報から開始しなければならない構想設計段階のプランニングに十分対応できる早期プランニング技術が必要です。次に、広く専門家の知見を集めるためにCAD機種に依存しないで構想データを交換できることが求められ、そのためにLPBフォーマット(IEEE2401/IEC63055)への完全準拠が必要となります。さらに、コミュニケーション機能や、セキュリティ機能も必要となります。GemPackageはこれらの新しい課題に対して最先端の対応力を持っています。

協調設計ツールに求められる機能

構想段階の協調設計をサポートするEDAツールには、次のような機能が求められます。GemPackageはこれらの要請に先端的な対応をしています。

早期から利用できるプランニング機能

構想段階の極めて少ない情報からプランニングを開始でき、途中で生まれる技術情報を適切に取込むことができ、自然に部品表やネットリストなのインプリ開始のための情報が得られる機能が必要です。例えば、次のような要請に応える必要があります。

  • 実際の配線を仕上げる必要はないけれど、配線可能かだけ手早く知りたい。
  • 電源プレーンなどのレイアウトデータが揃うずっと前の段階に、多様なフロアプランを検討しその中からパワーインテグリティ的に安全な案を絞りこみたい。
  • 構想段階にとってネットリストは結果である。フロアプランを通じてネットリストを生成する機能が欲しい。

データ交換とコミュニケーション支援

EDAツールは、従来、オフィスツールなどと比べてデータ交換やコミュニケーションへの配慮が足りませんでした。構想段階の協調設計に対応するには次のような要請に応えることが必要です。

  • EDA機種に依存しないで多様な専門家とデータ交換したい。そのためにLPBフォーマット(IEEE2401/IEC63055)に完全準拠してほしい。
  • 関係者に検討依頼を出すときなど、ツール画面を切りとってオフィスツールに貼って送ることが多く、面倒である。
  • 設計履歴を部門間・企業間で共有したい。

アイデア保護のためのデータセキュリティ機能

企業間の協調設計を進めるためには、各参加企業のアイデア保護に配慮する機能が必要です。秘密保持契約などの人的な対策も重要ですが、それだけでは足りません。システム的な保護策がなければ実際にデータ提供に踏み切れる企業は限られてしまいます。そこで次のような要請に応える必要があります。

  • 設計履歴の中の社内連絡事項は他社からは見えないようにしたい。
  • データを提供する際、無断で目的外の利用ができないようにデータにロックをかけたい。